音響・コミュニケーションシステムの専門インテグレーターであるT.G.Baker社は、ウルヴァーハンプトンにあるモリニュー・スタジアムのPA/VAシステムをNEXOソリューションへアップグレードしました。その結果、予算を抑えながらも、ウルブズのファン体験を各段に向上させています。
モリニュー・スタジアムは、1889年からウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ・フットボール・クラブの本拠地として使用されており、フットボールリーグのために初めて建設されたスタジアムです。また英国でいち早く照明設備を導入したスタジアムのひとつであり、1950年代にはヨーロッパのクラブチームによる試合開催においても先駆的な役割を果たしました。現在は、中国の複合企業であるFosun International社が所有する収容人員31,000人のスタジアムとして、EFLチャンピオンシップ上位クラブにふさわしく、革新を続けています。
ウルブズのオペレーション責任者であるSteve Sutton氏の依頼を受け、T.G.Baker社はエンターテインメント用途とPA/VA用途を兼ね備えた新たな音響システムの設計・施工を行いました。Steve Sutton氏は次のように述べています。「これまで使用していたシステムは24年前のもので、推奨の使用期間を大幅に超えていました。一方で新しいオーナー陣とマネージングディレクターのLaurie Dalrymple氏は、試合の日に最高水準のエンターテインメントを同時に提供することに非常に意欲的でした。」
ウルブズの試合日には、試合前やハーフタイムにバラエティ豊かなプログラムが展開されます。選手や解説者へのピッチサイドインタビューに加え、近年では音響演出と連動した本格的な花火ショーも実施されています。Steve Sutton氏は次のように説明しています。「こうした演出の多くは、従来のスピーカー性能によって制約を受けていました。特にDJからは不満の声が多く寄せられていました。」
グラスゴーおよびブラックバーンを拠点とする音響専門企業T.G.Baker社は、これまでに20を超える会場でスタジアム向け音響補強システムを手掛けてきた実績があります。本プロジェクトにおいて、プロジェクトマネージャーのAndrew Plunkett氏は、フルラインアレイシステムが理想的であるものの予算には合わないと判断し、ポイントソース方式のソリューションを検討しました。そして、このタイミングで初めてNEXOが有力な選択肢として加えられたと言います。
Andrew Plunkett氏は次のように語っています。
「マネージングディレクターとクラブの営業・マーケティング担当者を対象に、5機種による試聴テストを実施しました。すべてのモデルをピッチ上に設置し、実際の試合で使用している音楽プログラムを再生した結果、NEXOのPS15-R2は明瞭度と均一なカバレージ性能において満場一致で選ばれました。また低域性能が非常に優れていたため、サブウーファーを追加する必要もありませんでした。試聴に参加した全員が、『NEXOのスピーカーには特別なものがあり、あらゆる面で優れた性能を発揮している』という点で意見が一致したのです。」
NEXO独自の予測・モデリングソフトウェアNS-1を用いて設計された本システムでは、3つのスタンドにPS15-R2ラウドスピーカーが採用されました(4つ目のスタンドであるスタン・カリス・スタンドは2012年に改築されており、既存設備が継続使用されています)。
NEXOはスタジアム向けラインアレイシステムの分野における世界的なリーディングメーカーですが、15インチ2ウェイのPSシリーズのみでサッカースタジアム全体を構成した事例は今回が2例目となります。必要なアンプ台数が比較的少なくて済むため、コスト面でも大きなメリットを実現しました。PS15-R2キャビネットは各スタンドの屋根下に合計34台設置され、20〜25mの範囲をカバーしながら、優れた明瞭度と非常に均一な音圧分布を実現しています。
システム全体は、わずか6台のNXAMP4x4アンプで構成され、3か所に分散配置されています。Andrew Plunkett氏は次のように説明しています。「すべてのプログラム音声はDanteネットワーク上で伝送され、DJスタジオ内のノートPC上で動作するスタジアム平面図ベースのコントロール画面から柔軟にルーティングすることができます。また、各スタンドはゾーンごとに分割され、それぞれ独立して音量制御が可能です。そのため、熱心なサポーターが集まるエリア、ファミリー向けエリア、比較的年齢層の高いシーズンチケット保有者のエリアなど、観客層に応じた最適な設定を行えます。さらに、スタジアムの両翼部分で観客数が少ない場合には、非常時の音声警報に影響を与えることなく、そのエリアのみ音楽の音量を下げることもできます。」
さらにAndrew Plunkett氏は次のように続けます。
「最も重要だったのは、このシステムがVAシステムに適切に対応できることでした。そのため、NEXO NXAMPには防災・音声警報システムとの連携を考慮した特別なファームウェアが採用されています。VAシステムは専用ルーターと独立ネットワークによる監視システムとして構成されており、試合日のエンターテインメントプログラムよりも優先して作動し、その切り替えは自動で行われます。一方でNXAMPはスピーカーラインの状態を監視し、その情報をVAシステムにフィードバックします。」
Steve Sutton氏は、新システム導入による効果が着実に表れていると語ります。
「当クラブのマネージングディレクターはファンエンゲージメントを非常に重視しており、新システム導入の推進役でもありました。現在では、よりプロフェッショナルなエンターテインメントを提供できるようになり、とりわけキックオフ前の重要な5分間でその効果を実感しています。その結果、以前よりも早い時間帯からファンがスタジアムに来場するようになりました。音の評価は主観的なものですが、私自身としても、NEXOシステムの稼働開始以降その効果の大きさを実感しています。」
T.G.Bakerの詳細はこちらをご覧ください:
https://www.tgbaker.com






















































