ベルギーのスパは、ミネラルウォーターや伝説的なF1サーキットで知られる街ですが、毎年7月には、約200,000人が訪れる音楽フェスティバル「Les Francofolies de Spa」の開催地としても賑わいます。
この国際的なフェスティバルは、環境保全と持続可能な発展への配慮を理念に掲げるコンテンポラリー・ミュージックのイベントです。多文化共生やフランス語文化の発信、革新的な文化の創造をテーマに、幅広いアーティストがステージを彩ります。
今年はChristophe Maé、Patrick Bruel、Gims、Louise Attaqueらをヘッドライナーに迎え、7月18日から21日にかけて開催されました。
メインステージ「Pierre Rapsat」の音響を担当したのは、ベルギーの制作技術会社Arto社です。同社はNEXOのSTM Seriesラインアレイシステムを採用し、市街地で開催されるフェスティバルに求められる高い指向性と迫力あるサウンド、そして低域の優れたコントロールを実現しました。
システム設計は、Arto社の長年のパートナーでありサウンドエンジニアでもあるChristophe Loncour氏が担当しました。メインアレイは、STM M46メインモジュール12台、B112ベースエクステンション12台、STM M28ダウンフィル1台で構成したアレイをLRに設置。さらに、STM S118サブウーファーによるフライングサブアレイを左右に配置しました。加えて、STM S118を4台積みのカーディオイド構成で7基採用し、フロントフィル、リップフィル、アウトフィルにはSTM M28を合計14台使用しています。
ディレイシステムには、STM M46およびB112を各6台にSTM M28ダウンフィル1台を組み合わせたアレイを採用。さらに、STM S118を4台積みしたカーディオイド構成のサブウーファーを背中合わせに2基設置しました。
システム全体のアンプおよびプロセッシングには、NXAMP4x4 パワードTDコントローラーを33台使用しています。
Arto社チーフシステムテックのDavid Huyvaert氏は次のように語ります。
「システム全体はOutline Audio社のNewtonプロセッサーで制御し、すべてのゲスト用ミキシングコンソールを一元的にルーティングして、Danteネットワーク経由でシステムへ入力しました。万一に備えてアナログのバックアップも用意していましたが、使用する場面は一度もありませんでした。晴天でも雨天でも、システムは非常に安定して動作しました。」
「左右非対称のシステム構成になったのは、ステージ周辺の地理的条件によるものです。会場は市街地の中心部にあり、設置スペースも限られていましたが、サブウーファーのカーディオイド構成と高い指向性によって、サウンドを狙い通りにコントロールすることができました。近隣ステージからの音も考慮する必要があったため、この点は非常に重要でした。」
「STM Seriesは期待通りのパフォーマンスを発揮し、フェスティバル期間中、さまざまなアーティストを担当したエンジニアからも高い評価をいただきました。」
Arto社は、NEXOのモジュラーラインアレイシステムSTM Seriesへいち早く投資したレンタル会社のひとつです。2012年末に36セットを導入して以来、大規模フェスティバルから自治体イベント、企業イベントまで、さまざまな現場で規模に応じたシステムを展開しています。
35年以上前にVincent Tempels氏によって設立された同社は、音響・照明・映像演出を専門とし、ベルギー国内をはじめヨーロッパ各地、さらに世界各国で、音楽ライブ、企業イベント、スポーツイベント、カンファレンス、劇場公演など幅広い分野を手がけています。
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