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Part 4

NEXOは、革新的なスピーカーデザインを行う業界内でのリーダーとして、サブウーファーの設計も永きに渡って定評があります。

現在もユーザーの皆さんが使用されるアプリケーションで最大のシステムパフォーマンスを得られるようにサブウーファーの強力なラインナップを揃えています。

NEXOのエンジニアリングサポートディレクターのFrançois Deffargesは、会社の設計の軌跡を取得した特許、行った革新やそれらのアイデアを生む苦労のいくつかを振り返ります。
“我々は80年代から広範囲な科学的要素をこのカテゴリーのキャビネットに適用を開始した最初のメーカーの1つであり、サブウーファーの適切な設計を行うためのノウハウを収集しました。そして開発初期の段階からソフトウェア、モデリング、測定に多大な投資を行いました。”

“NEXOは20年前、サブウーファーの周波数を制御し、まるでレーザー光線のように扱うことができるカーディオイドサブウーファー技術の先駆者でした。サブウーファーの後方から前方と同じ音波を逆位相で等しく出力することで後方へのサウンドは相殺され、実際には前方のサウンドが増加します。

“我々の最初の革新はGEO S8のパートナーサブウーファーという位置付けで発表したCD12でした。ここから時にハイパーカーディオイドとも呼ばれる、カーディオイドサブウーファーの設計が始まりました。18インチを2台搭載したより大型のCD18を発表した際は、当時市場にあるサブウーファーの中で最も高い出力が得られる機種の一つでありました。
”しかしながら、このCDシリーズは無指向性モードで使用することができませんでした。2007年にNEXOが新たに特許を取得したRaySubテクノロジーを採用したRS15とRS18は、世界初のカーディオイドと無指向パターンを一つのキャビネットで実現しました。

RSテクノロジーによって単独のキャビネットで無指向または単一指向パターンを生むことが可能

 

“サブウーファーのキャビネットデザインは一般的な無指向性、または特別な設計のカーディオイドのどちらかになります。無指向性キャビネットをカーディオイドパターンとする場合には、複数のキャビネットを用いて前方や後方に向けて構成するなどが必要になります。更に低域のカーディオイドパターンは能率に対しては悪影響を与えます。
RSテクノロジーは、ユニークなキャビネット設計とすることで2台の低域ドライバーを正面に向けて同一信号を送る一般的な無指向パターンもしくは、キャビネットを90°回転し前方向けと後方向けの低域ドライバーに異なるオーディオ信号を送り単一指向パターンのどちらも可能になります。

RS15とRS18は世界中で広く使用されている現行モデルです。しかしながら2011年にSTMシリーズのモジュラーラインアレイを開発する際にNEXOはまた新たな次元の開発へと移行しました。
“我々はSTMモジュール全てに同じ小さな設置面積を採用したかったのです。そのためカーディオイドがモジュラーで実現(2台単位の組み合わせで実現すること)することに決定しました。これによって無指向パターンと横並び、後ろ合わせ等で構成するカーディオイドパターンが、ユーザーが必要な条件沿って構築できるようになりました。

STM S118サブウーファーは、新たな革新的な特許を持ってデビューしました。フランス大学からライセンス認証を受け、航空機用のジェットエンジンを模して設計したことでNEXOのデザイナーは、開口では無く、噴出口のような構造を採用できました。これは実際にSTM S118の凹みのような形状で見ることができます。
音響的な排気口や通気口は非常に高い空気粒子速度で空気の乱流や渦を生み出します。これらは非常に重要で、ダクトに沿った空気の流れを遮断できるため、ダクトの断面積が大幅に増加しない限り、最大SPL出力が大幅に制限されます。これに対して特許取得の凹んだ断面形状のノズルを音響ダクトとして用いることでNEXOのデザイナーはゲインを一般的な凸形状の開口設計を超える6 dB増加させることができました。

François Deffarges, NEXO エンジニアリングサポートディレクター

STMシリーズの発売後、NEXOはコンパクトな中規模サイズラインアレイのGEO Mファミリーの開発に移行しました。中高域での前向きな思考にサブウーファー設計の革新も求められます。そうしなければ統合されたシステムとは呼べないからです。
GEO Mシリーズのシステムは、間もなく発売されるGEO M6用のMSUB12、GEO M10用のMSUB15、GEO M12用のMSUB18というようにそれぞれの設置サイズに合わせたサブウーファーが用意されています。
新技術である極めて高い能率となるハイブリッドバンドパス設計を用いることにより、特にキャビネットサイズ以上の高い出力と、ローエンドの正確性が向上するという結果を生み出しました。“更にこれらは我々が今まで経験の無いベストなグランドスタックソリューションを実現するという目標もありました。MSUBは無指向、単一指向をグランドスタック、フライングのどちらでも設置可能です。”リギングシステムも前後に互換性を持たせているためMSUBを後ろ向きに取り付けることもできるようになっています。

Françoisはカーディオイドを大型のPAシステム、特にスタジアムのような会場でフライングをするメインシステムで使用することは慎重に考える必要があると考えています。
“もし皆さんがサブウーファーを従来通りに使用した場合ほぼ無指向性となり後方への減衰は-1または-2 dB程度しかありません。そのためサブウーファー帯域をカーディオイドにすることでこれを-12から-15 dB減衰することができるので大きな恩恵があります。しかし、これをメインシステムで行う場合、キャビネットを垂直に長いアレイを構成する必要があります。そしてそれはキャビネット自身に回折効果を生じることとなります。その為、30 Hzで無指向のキャビネットでは指向性が生じ始めるのは80や100 Hzとなるため、一般的な後方への減衰はキャビネットによって自然に生じる減衰分である6-8 dBになります。そのためカーディオイドの恩恵を受けるためには-8から-12 dB(僅か4 dB減衰が増えるだけです)が必要となりますが、一般的にこれは空に向かってしまいます。システムがフライングされている場合、これらの恩恵を受けるのは飛んでいる鳥たちを楽しませるだけであり、観客やミュージシャンがいる場所ではありません。そのためユーザーの利益にはならないと考えています。“