西オーストラリア州のパースで先日、Elite Audio Visual Productions(EAVP)が、St Hilda’s Anglican School for Girlsにある900席の劇場にNEXO GEO SシリーズSRシステムを設置しました。ここは、市内で最も素晴らしく、また多くの人に必要とされている劇場として、高く評価されています。
EAVPは、このJoy Shepherd Performing Arts劇場(1階正面席に613席、2階正面席に287席)におけるさまざまなニーズを満たすために、適切なSRシステムについて助言し、システムの供給と設置に従事しました。本劇場は学校内部のイベントや上演のためのメイン講堂として使用されますが、外部クライアントにも定期的に貸し出され、ダンスショー、コンサート、礼拝などに利用されています。
これまで使用していたシステムはここ最近問題が出始め、劇場に必要とされる均一なカバレッジと出力が得られなっており、そのため、外部クライアントに貸し出す際に、イベントごとに適切なPAシステムをレンタルする必要が生じ、収益と時間の損失という悪影響が出始めていました。既存のシステムでは、2階正面席とその下に位置する客席という2つの重要エリアで十分なカバレッジが得られず、これが主な問題の1つとなっていました。この2つのエリアでは音がこもり、高域の大部分が失われていました。さらに既存のシステムにはサブウーファーがなく、ローエンドの出力はほとんど皆無でした。
そこで劇場マネージャーのDavid Spooner氏は、以下の基準を満たすシステムの設計をEAVPに依頼しました。
・ステージやフロア面積を専有しないように、天井からフライングさせること
・全校集会からロックコンサートまで、何でも対応できること
・講堂全体に最高のカバレッジを実現すること
・優れた音質を実現しつつ、外観上目立ちすぎないこと
・スペア部品やサポートが容易に得られる、信頼性の高いブランドであること
最適なカバレッジと出力レベルを実現する方法を解明すべく、音響モデリングソフトウェアを使用して、室内空間の3Dモデルでさまざまなモデルおよび構成のPAシステムをコンピューター上で試行しました。その結果、システムが最適なカバレッジを実現するには、吊された1対のメインPAに加えて、オーケストラピットの前面にフロントフィルスピーカーを、2階正面席の上にディレイスピーカーを設置する必要があることが明らかになりました。
EAVPは、片側につき6台のGEO S12トップボックスと2台の18インチLS18サブシステムで構成されるNEXO GEO S12ラインアレイ、3台のコンパクトNEXO ID 24によるフロントフィル、4台のID 24によるバルコニー上のディレイスピーカーというソリューションを示しました。
安全性と今後のメンテナンスの容易さを考え、チェーンモーターが取り付けられました。チェーンとケーブルを通すため、吊り天井に大きな穴をあける必要がありました。カスタムのマウントブラケットは、オーケストラピットの前のガラス製欄干にフロントフィルスピーカーを取り付けるために、社内で設計および製造を行いました。
システム全体は、プロセニアムの背後に新設されたラックに収納された、2基のNEXO NXAMP4x4 4チャンネルアンプによって動作します。アクセスが容易であることと、メインアレイまでのケーブル長を短縮できることから、この場所が選択されました。ディレイやイコライゼーションなど、すべての処理は、NEXO独自の管理ソフトウェア「NEMO」を使用して、アンプ内で行われます。室内空間に合わせてシステムを調整したあと、会場全体で測定されたSPL(音圧レベル)の差は5db未満でした。その結果、劇場全体で全周波数における均一なカバレッジが得られました。
劇場マネージャーのDavid Spooner氏は、次のように述べています。「EAVPによるNEXOサウンドシステムの設置と試運転は、実に素晴らしいものでした。作業は予定通りに完了し、設置もきれいに整然と行われ、そして何よりも予算内に収まりました。この新たなサウンドシステムにより、私たちが必要としていた柔軟性を得ることができました。PACの多くのイベントのサウンドエンジニアとして、サウンドシステムと戦っているような気分になることはもはやないでしょう。機材には十二分なヘッドルームが確保されており、システムに無理をさせる必要もありません。」
「システムのクリアなサウンドに感銘を受けました。NEXOシステムのダイナミックレンジは非常に素晴らしく、明るく鮮明なサウンドで音楽が再生されます。このシステムを使用して4か月が経ちました。大編成の聖歌隊から、ロックバンド、室内楽コンサート、そして数々のプレゼンテーションまで、あらゆることに対応してきました。音量が大きすぎるまたは小さすぎる、発言者の声が聞こえないなどの苦情はまだありません。システムを置き換える前は、そのような苦情が常にありました。最高の仕事をしてくれたEAVPには感謝の気持ちでいっぱいです。」