ヴェステロースコンサートホールにスウェーデン最大のSTMシステムを設置
ヴェステロースコンサートホールにスウェーデン最大のSTMシステムを設置

ヴェステロースコンサートホールにスウェーデン最大のSTMシステムを設置

11月 2019 | NEWS | Theatres | GEO M6 | ID Series | STM | Sweden

NEXO STMシリーズのモジュラーラインアレイによるスウェーデン最大の固定設備が、ストックホルムの約100km西方にあるヴェステロースのKonserthus(コンサートホール)に完成しました。Bright Groupが設計と提供を行なったシステムには複数のNEXOモデルが含まれており、多忙な現代のパフォーマンス環境のための最先端のソリューションとなっています。

フォークミュージックやワールドミュージック、ダンスやニューサーカス、ポップやロック、ジャズ、室内楽にオーケストラ公演、ドラマやコメディなど、年間200を超えるイベントが開催されているヴェステロースコンサートホールは、地域文化の活気溢れる中心地となっています。客席には、メインとなる900名収容可能な大ホールと、それぞれ215席と125席のラップアラウンドバルコニーが2つあります。

ステージテクニカルマネージャーのPer Andersson氏が率いる劇場スタッフは、9社の有名サプライヤーおよびメーカーの参加による、徹底的な入札プロセスを実施しました。これには、提案されたシステムソリューションを劇場で実演する実演オーディションも含まれました。

そのプロセスについて、Andersson氏は次のように説明してくれました。「私たちは5人の審査員を立てました。劇場の音響技術者Emil Hedin氏とLars Alehag氏の2名、フリーランス音響技術者Mathias Andersson氏、Johan Hellgren氏、Thomas Malbeck氏の3名、この5名全員がカバレッジと分布の均一性についてNEXO STMシリーズに最高スコアを付けました。またソースに忠実な再現性も高く評価されていました。」

機器の設置は、Bright Groupのシステム設計を使用して劇場スタッフが自ら行ないました。Bright Group設置部門のプロジェクトマネージャーDrew Black氏は全体のプロセスを監督しながら、最終調整についてFredrik Arwidsson氏(Bright Groupレンタル部門)、Emil Hedin氏(劇場スタッフ)およびOla Fransson氏(NEXOスウェーデン販売代理店Intersonic社)からも意見を集めたそうです。そのDrew Black氏はこのように述べています。「このシステムは会場全体にクリアなカバレッジを実現しつつ、コンサートホールのあらゆるニーズを満たすように設計されており、クラシック音楽に必要な最高のクリアさと、最もヘビーなロックバンドでも対応できるパワーを兼ね備えています。」

システムでまず目に留まるのがSTMシリーズのメインPAのL/Rアレイで、指向角が90度のM28モジュール14台と120度のM28が1台で構成されています。「アレイはホール最後列までの約22メートルにサウンドを届けるとともに、ホールを取り囲むバルコニー2つもカバーします。ボックス席はありませんが、STM M28の性能をもってしてもステージに最も近いバルコニー前席は十分なカバーが難しいため、ここのフィルのためにNEXO ID24コンパクトスピーカーを戦略的な位置に配置しました。」

このシステムではサブベースにNEXOの新型キャビネットMSUB18を使用し、各サイドにフライング3台とグラウンドスタック3台を設置しています。汎用性の高い設計により、必要に応じて各サイドのサブ6台すべてをフライングさせることもできます。Andersson氏はこれについて以下のように解説してくれました。「この配置にはいくつかの理由があります。1つは実用性です。この会場ではバンドやフルオーケストラのコンサートもよく実施しますが、サブベース帯域の追加の必要性は低く、物理的なスペースも限られています。この場合、サブはフライングが適切です。一方、最高品質の低音域を必要とする舞台を扱う場合、ルームカップリングによりフロアのサブから必要なパンチを追加することができます。」

システムの全体は8台のパワードデジタルTDコントローラーNXAMP4x4コントローラーと2台の同NXAMP4x1MK2で駆動され、すべてネットワーク管理用にNXDT104 Danteカードが装備されています。Andersson氏によると、2台目のNXAMP4x1 MK2がシステムを左右に分割して3つのセクション(第2バルコニー、第1バルコニー、1階席)に分けることを可能にしているとのことです。

Bright Groupはコンサートホールの設計にあたり、コンパクトラインアレイGEO M6などNEXO製品の他モデルも取り入れており、M6モジュールは6台がサイドフィルに使用されています。また超コンパクトなポイントソースキャビネットID24はフロントフィルとともにバルコニーのフィルにも使用されています。

Drew Black氏はさらに続けて次のように説明してくれました。「システムは完全に固定設置されているわけではありません。劇場には自社上演のためにシステムを移動する予定はありませんが、ゲスト出演者が自己所有機材の使用にこだわる場合を想定し、一時的にシステムを取り外せる柔軟性を備えています。」

既にスウェーデンにおいてNEXOを採用したプロジェクト管理を複数行い、数々の賞を受賞しているBlack氏はこう強調します。「Bright Groupは、NEXOのテクノロジーと弊社施工部門にとって素晴らしいショーケースとなるヴェステロースコンサートホールとの継続的な関係の構築を望んでいます。これは素晴らしいシステムで、観客にも多くの喜びを与えるものです。最前列も最後列も関係なく、全員が同じ体験を共有できるようになるでしょう。」

一方でAndersson氏はこのように述べています。「最も改善されたのは第2バルコニーです。以前はこれらの席に本当に苦労させられましたが、今ではホールのどの席とも同様になりました。総合的には、空間全体のスペクトラルバランスが大幅に改善されています。このホールにとってこれは大きな一歩であり、持ち込み機材で現在のこのシステムに匹敵するものを実現することは難しいと思います。」

NEXOのスウェーデンにおける長年の販売代理店であるIntersonic社のOla Fransson氏は、「この販売および施工の結果について非常に誇りに思い、満足しています。これはまぎれもなく、スウェーデンにおけるSTMシリーズのモジュラーラインアレイで最大規模の設備です。このコンサートホールでは、さまざまな音楽スタイルの多数のコンサートがさまざまなエンジニアによって行なわれているため、ここでの口コミがさらなるNEXOの強固な評判を築いてくれることを願っています。」とその手応えを話してくれました。

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