エンジョイ教会にSTM Seriesが導入されました!
エンジョイ教会にSTM Seriesが導入されました!

エンジョイ教会にSTM Seriesが導入されました!

2月 2020 | NEWS | Houses of Worship | STM | Australia

メルボルンを本拠地とするエンジョイ教会は、オーストラリアで最も急速に成長中の教会です。
同国の他の教会の多くがそうであるように、メイン集会所は倉庫内にあり、主に外観だけが改良された、機能的な礼拝スペースになっています。ここは現在1,800人を収容できますが、音響環境は理想的ではありません。会場の構造は典型的な倉庫と言える金属屋根とコンクリートの壁となっています。最初はメインの礼拝スペースをカーテンで区切っていましたが、座席数を増やし、建物内の他のエリアへの音漏れを防ぐために長年に渡って内部に石膏ボードが追加されてきました。礼拝所の天井は、吸音材が金属屋根の下側に直接取り付けられています。

Forefront Productions社は、2009年この礼拝所にNEXO GEO S12ラインアレイシステムを設置しました。しかしながらその後の拡大し続ける会衆に対応するため、教会は、同社のNick Burns氏とMatt Wever氏にメインスピーカーシステムのアップグレードを依頼しました。最終的なゴールは、最新の音響システム技術を用いて、将来の演目や収容人数の拡大に対応可能で会場の形状にそれぞれ柔軟に対応できるものを目指しました。

Nick Burns氏が選択したのはNEXOのSTM Seriesモジュラーラインアレイを建物のメインエリアに使用するシステムでした。“このプロジェクトは、視線を遮らないようにラインアレイの長さを増やさずにより広いエリアをカバーすると同時にシステムのヘッドルームと音響性能の向上を実現させる必要がありました。STMシステムを用いることにより、M46メインモジュールとB112ベースモジュールのダブルワイドのメインアレイを構成し、より小型のM28オムニパーパスモジュールを下向きに設置しました。センターフィルとアウトフィルアレイにM46メインキャビネットを使用することで、メインアレイの大きさを変えることなく同じ高域/中域性能を維持することができました。”

STMのモジュラリティ、モジュール性能は、変更と拡張が非常に簡単に行えることを意味しています。“これは本当にスピーカーをレゴブロックの様に扱えます。各種のSTMキャビネットをシステムに追加するだけで投資の価値を更に高めることが可能なのです。”

メインの礼拝スペースは、幅と奥行きに対して比較的低い天井高という非常に困難な環境でした。このような物理的環境下では、一般的なステージ照明、ビデオ機器のインフラに加えて他の機器も設置されると視線を遮らない位置取りと、吊り下げたPAシステムに他の機器が干渉しない位置取りのバトルになります。
加えて、初歩的な吸音処理とステージを囲むような座席配置、これらは目的を達成するにはスピーカーシステムの設計と配置に大きく依存することを意味しています。

Forefront Productions社のデザイナーであるNick Burns氏とMatt Wever氏は、NEXOのNS-1ソフトウェアを用いて計算とカバレージの予測を行い、実際のシステムパフォーマンスを非常に正確に確認しました。
“これは機構的な情報と組み合わせてNEXOシステム設計を行うツールであり、もちろん3Dでのプレゼンテーションも可能です。システムの設計段階から非常に細心の注意を払っていたので、NS-1のMIF計算の忠実性に改めて感銘を受けました。”

たった3日間の工期で、Forefront Productions社のチームは以下の新しいメインPAシステムを設置しました。

STM M46 ラインアレイエレメント 19台
STM B112 ラインアレイエレメント 10台
STM S118 サブベースエレメント 8台
STM M28 ラインアレイエレメント 6台
PS8 スピーカー 4台
NXAMP4x4 パワーアンプ/プロセッサー 9台
NXAMP4x1 パワーアンプ/プロセッサー 1台

NEXO NXAMP4x4はAESインターフェイスカードを実装して設置されました。既存のNXAMP4x4は新しい追加ユニットで拡張されました。これにより、全ての処理がNeMoネットワーク制御を介してコントロール可能になりました。全てのシステムチューニングと制御はNXAMP4x4の内蔵機能をNeMoからグループやゾーン単位で制御して行えるようになっています。

結果は注目に値すると言えます。STMシステムの大きな特徴の1つとして評価されているのは“音が近くに聴こえる”です。これは、会場エリアの最も遠い隅まで体感することができ、ステージの近くにいるかのような感覚を得ることができます。フルレンジのバンド演奏からスピーチに至るまで、明瞭度と一貫性のあるカバレージを全ての場所に届けられていることが非常に印象的です。

音響環境では、既存のリスニングエリア内には、スイート、デッドスポットが存在していました。これを改善するためにアウトフィルエリアなどのキャビネットでは慎重な配置、角度調整やチューニングを行うことにより、音の一貫性とカバレージが大幅に向上しました。

エンジョイ教会では日常的に、通常の客席エリアにプレゼンターがハンドヘルドやヘッドセットマイクを付けた状態で客席内に入っていくことがあります。つまりスピーカーのカバレージ内に入るということになります。そのため、このシステムを検討するに当たり小型のフロントフィルスピーカーの採用を排除し、ソースの数を最小限に抑えるという独自の課題がありました。

これらを念頭においた結果、水平120度の指向特性に設定したSTM M28をメインシステムのダウンフィルとし、センタークラスターのM46と共にカバーすることにしました。これにより、最前部分の客席全体で同じ音質を得ることができ、センタークラスターの存在が意識できない位にタイムアライメントがされています。恐らく、更に注目に値するのは、例え演者や説法をするプレゼンターがマイクの使い方に長けてなく、さらに客席内に入って行ってもフィードバックを起こしにくい、高い安全拡声ゲインが達成できている所かと思います。

もう1つ、注目すべき改善点は、ステレオ定位です。比較的幅の広いルームと比較的広い指向性のメインアレイと、既にステレオ定位の良さで定評のあるSTMによって、定位を感じることが可能なリスナーが大幅に増加しました。これによってミキシングエンジニアは従来のようにステレオ定位を体感できない座席エリアをきにすることなくミキシングを行うことが可能になります。

STMシステムによって大幅に改善されたヘッドルーム性能の向上により、エンジョイ教会は、外部のイベントに追加機器や使用に際しての心配をする必要が無くなりました。この会場は定期的に学校の集会や音楽のプレゼンテーションやアーティストのコンサートツアー等の外部イベントにも使用されています。

通常はこのプロジェクトのようなスケールでの性能と音質の向上を考えた時に皆さんは恐らくサイズ的にGEO S12システムの置き換わりとした場合に想像されるのは、遥かに大型のシステムへの移行だと思います。しかし、実際に納入されたSTMのメインアレイは従来のシステムより最下部が僅か70㎜下に伸びただけです。視認できるサイズアップはメインアレイの幅が拡がりましたが、黒いステージ上部のスペースでは殆ど気が付かないと思われます。

以前のシステムではサブウーファーはクライアントがステージエリアには置かないで欲しいと要望されていたため、メインアレイの後ろ側に吊り下げられていました。一方STMシステムではS118を水平にサブアレイし、ステージ下に設置したため同じくステージ前部には何も置かれていません。吊り下げられたB112キャビネットが生み出す低域との組み合わせにより、低域と超低域はスペース内で良く制御され、均一なカバレージとなり以前よりこれも向上しました。

STMシステムの採用によって、ステージ上部の空間を全体的にすっきりとした外観を提供することができました。

この改修は音質の大幅な向上だけにとどまりません。エンジョイ教会は現代の教会におけるインパクトのあるバンド演奏から、演劇、スピーチやプレゼンテーションなど様々なニーズに対応できる会場へと変貌しました。

このシステムはまた、組織が技術投資の価値を拡大する能力を独自に示しています。エンジョイ教会に元々あったNEXO GEO S12システムは3つの小さな会場で再利用され、その会場のアップグレードに寄与することで教会が投資の価値を拡大することに貢献しました。エンジョイ教会は、システムをNEXOブランドの製品で統一することで、新しいテクノロジーを引き続き強化し、最新の状態を維持しながら組織内の様々な場所で大幅な改善を実現できます。

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