2025年4月13日、未来の社会をデザインするというテーマのもと、大阪・夢洲にて「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」が開幕しました。1970年の日本万国博覧会(大阪万博)以来55年ぶりの国際博覧会の開催となります。960エーカーに及ぶ夢洲の会場では、160を超える国々が文化、技術、未来のビジョンを披露しています。フランス館はその一つであり、公式展示主催団体であるCofrexによって設計・運営されています。会場入口という好立地に位置し、視覚的にも印象的なこのパビリオンは、今後6か月間、1日あたり2万人以上の来場者を迎える見込みです。
「フランスの精神を象徴する感情があるとすれば、それは“愛”だ。」とエマニュエル・マクロン仏大統領は語ります。来場者には、愛、大胆さ、対話を讃えるフランスの世界観がこのパビリオンで感じられることを期待しています。
アート・ディレクターのJustine Emard氏は、「私たちは“Pulsations(鼓動)”というテーマのもと、音楽と鼓動に導かれる8つのアートインスタレーションによって、愛というテーマを表現することを選びました。」と述べています。国際的な体験設計会社GSM Projectと協力し、LVMH、AXA、LES VINS D’ALSACE、NINAPHARMといったスポンサーの支援を受けながら、フランスと日本の深い結びつきを象徴する多感覚な体験を創出しました。
このイマーシブ体験の中核をなす音楽と音響には、IRCAM(フランス国立音響音楽研究所)によって特別に作曲・制作された音響コンテンツが用いられています。これらは、フランス館内に設置された250台以上のNEXO製スピーカーを通じて提供されます。
パビリオンの前方エリアには、コンパクトなGEO Mラインアレイが配置され、エントランスロビーには、目立たない形でID14が設置されています。
また、最初のアートインスタレーションでは、宮崎駿氏の見事なオービュッソンのタペストリーが展示されており、同空間にもID14が視覚的に目立たない形で組み込まれています。その先、上部に16台のID14が設置された通路では、IRCAMの作曲家が手がけた波面合成(WFS)により独特な音響空間を体験することができます。
AXAの展示空間では、音楽家のRone氏、振付師のAngelin Preljocaj氏、映像作家のThierry De Mey氏による作品が融合し、カーブしたスクリーンの背後に隠れた非常にパワフルな「シネマスタイル」のNEXO P18システムとL20サブウーファーによって再生され、さらにID14およびID24がシーリングおよびサラウンドスピーカーとして補完しています。ルイ・ヴィトンの匠の技に敬意を表した空間では、85個のワードローブトランクに囲まれるように、ロダン作の彫刻「カテドラル」が中央に展示されます。工房の機械音のようなリズムが、隠れたID14によって再現されます。
ディオールの展示エリアでは、白く塗装され、目立たないブラケットで設置されたID14が、パリのアトリエの技術を讃えるコレクションを引き立てます。
屋外には、毎日水やりが行われる庭園と樹齢1000年のオリーブの木があり、ここではNEXOのePS Outdoorスピーカーが使用されています。その後、訪れた人々はアルザスのワインセラーを模した地下空間へ進み、ここではP8とL15サブウーファーが独特の雰囲気を演出します。
日本列島をモチーフとした3つの島では、それぞれ異なるテーマが展開されます。1つ目の島では2019年の火災後に再生されたノートルダム大聖堂、2つ目では島としての景観回復が進められたモンサンミッシェル修道院、3つ目ではボラボラ島と西表島をモチーフとしたフランスと日本のサンゴ礁への関心が表現されています。各スペースにはそれぞれ異なるサウンドトラックが用意されていますが、NEXOのIDおよびPlus Seriesが一貫した音響特性を維持し、空間を通じてスムーズな音の流れを実現します。
全体の音響システムの増幅・処理には、nanoNXAMPおよびNXAMPMK2 Seriesを含む合計65台のNEXO Powered TD Controllerが使用されています。
「音質は本当に素晴らしく、すべての空間をしっかりカバーしています。」と、Cofrexのフランス館音響インストール担当者Maxime Poirot氏は語ります。「設置直後から非常に良い音で鳴り、“プラグ・アンド・プレイ”であることが証明されました。場所によって多少の響きの違いはありましたが、必要な調整は最小限で済みました。NEXOからのサポートは、私が現地入りする前から非常に充実していました。」
NEXOのエンジニアリングサポートディレクターFrançois Deffargesは、「Cofrexとの協力は昨年9月に始まり、システム設計、性能モデリング、ネットワーク構成、デバイス名、IP設定まで支援しました。これにより、現場で即座に作業できる状態を整えました。」と述べています。
機器の納品は1月にLoct’ambule社により行われ、2月1日からはNEXO ESチームが現地に常駐し、スピーカー設置や配線、ラック構築などを支援しました。
最終調整段階では、NEXO NeMoアプリが非常に役立ち、各ゾーンにてワイアレスでオンライン作業がおこなえ、EQ調整を簡単にしました。開幕前の最終段階では、空間全体でビートの一貫性を確保するための同期支援も行いました。
Cofrexのパビリオン・ディレクターPhilippe Mille氏は、「このプロジェクトは非常に複雑で、特別な音響システムが求められました。240以上のチャンネルと無数のスピーカーが設置され、体験デザインと建物の特殊性から多くの課題がありました。技術的に高いレベルの対応ができるフランス企業を探していたところ、NEXOが迅速に対応し、設計から現場作業まで幅広くサポートしてくれました。」と語ります。
最後に、NEXOの代表取締役社長Jean Mullorは次のように述べています。「私たちはフランスで設計・製造を行う企業として、フランスの文化・洗練された職人技、そして高度な技術力を世界に伝えるこのプロジェクトに参加できたことを誇りに思います。またヤマハグループの一員として、ヤマハの本拠地である日本開催されるこの名誉あるイベントに私たちのスピーカーが採用されたことにも、特別な誇りを感じています。」
For further information on the France Pavilion at Expo Osaka 2025, visit: franceosaka2025.fr
For further information on Cofrex, visit: cofrex.fr
For further information on NEXO, visit: nexo-sa.com
For further information on GSM Project, visit: gsmproject.com
For further information on IRCAM, visit: ircam.fr
For further information on Justine Emard, visit: justineemard.com