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Part 6

NEXOのフラッグシップアンプであるNXAMP MK2は、スロットシステムを採用しているためオプションの拡張カードを装着することで様々なネットワークフォーマットに対応することができます。ネットワーク機能が必要ないユーザーは予算を抑え、必要になった時に追加できるようにしてあります。
現在のオプションは、AES/EBU, EtherSoundとDanteカードが用意されていますが、NEXOのR&DディレクターであるJoseph Carcopinoは“理論的に我々は今後普及する様々なネットワークフォーマットに対応していくことができます”と説明します。皆さんが興味ある内容だと思いますので、彼の考える将来のオーディオネットワークと、その中でのNEXOの役割について聞いてみましょう。

“もし私がEtherSpeakerテクノロジーについての話を始めたら、その内容が理解できる方は極めて少ないか、若しくは既にこの世に存在していないかもしれません。
2001年に遡りますが、当時は最新のオーディオオーバーネットワークプロトコルとしてEtherSoundとCobraNetが登場する前、そしてWifiも普及する前でコンピュータの世界にようやくネットワークインターフェイスが普及し始めた当時、NEXOのCEOは独自のネットワークオーディオソリューションを模索していました。

“CobraNetのソリューションは、設計上レイテンシーが不可避であるため、我々の二―ズには適していませんでしたが、EtherSpeaker/EtherSoundは極めて低いレイテンシーと確実な安定性(例えばヘリコプターのようにコマンド信号の送信時間がシビアな機器などオーディオ以外の使用用途での確実性と安定性を意味しています。)を備えていました。
しかしながら最初のユーザーからの反応は、アンプまでの全てのオーディオ信号供給が1つの小さなネットワークケーブルで簡単に行えるため、ケーブルコストと重量を抑えることができるという全く我々の予想外で非常に驚きました。
我々のEtherSoundに対応するインターフェイスを備えたデジタル機器は2005年に発売したNX242-ES4でしたが、同様な反応は続きました。‘音が素晴らしい!’という反応を予想していましたが、ミキサーとアンプ間のアナログケーブル100mが無くなり、不必要なA/D, D/A変換を減らすことで音質的にも確実に向上していたはずです。

“しかしながらEtherSoundは、ユーザーが映像やDMXコマンドやその他と併用する際にはVLANで100MBネットワークを分離して構築する必要があります。そのため、更にシンプルで簡単に共通で使用可能なネットワークがいずれ必要となることは明らかでした。”

2010年初頭、NEXOはDanteネットワークをNXAMPの拡張カードに適用する為にAudinate社と協議を開始しました。Danteによって切り開かれた新しい世界によって、各メーカー間がより一層「共通言語」を用いて会話ができるようになりました。この功績は非常に大きく、今日でもDanteの多くの競合がその優位性を越えようと切磋琢磨していることからも分かると思います。

 

NXAMP MK2はオプションの拡張カードで各ネットワークフォーマットに対応します。

“今も多くの新しいフォーマットが出てきていることから我々はアンプの拡張スロットシステムを継続して行けば良いと考えています。そうすることで簡単に対応できるだけでなく、以前のフォーマットのサポートを打ち切ることなく行える利点もあります。
しかしながら、技術的な観点から、本音を言えば今のところDanteの仕様を超えるネットワークは出てきていないと思います。(一部のユーザーの皆さんは、Danteは音を良くするには安すぎる!と思われているかもしれませんが)”

Josephは音響業界のオーディオネットワークは恐らく他の標準ネットワークプロトコルに吸収されるのでは無いかと推測しています。
“プロ用の純粋なオーディオ品質のネットワークに今後大きな変化が起こることはニーズ自体がもう無いのでは?と考えています。それよりも、より広範囲で全てのコンピュータで使用可能なネットワークプロトコルのような更に統合された標準化が進むと考えます。Audionate社でさえDanteネットワークフォーマットに映像を統合しています。”

現在のNEXOではDanteの拡張カードが固定設備市場に出荷が増加しています。特にNEXOアンプとラウドスピーカーとヤマハのコンソールの組み合わせが増えており、その要因として、チェーン内から不安定要素とも言えるノートPCを外して、QLやCLのヤマハミキサーからシンプルで簡単にNXAMPを制御することができることです。実際にミキサーの画面に表示される制御機能の統合ソリューションが非常にプラスだというユーザーからの報告も増えています。

Joseph Carcopino, NEXO R&Dディレクター

“もちろん他にもヤマハミキサーの全ての出力をNXAMPの入力にパッチできたり、人間工学的なメリットもありますが、ネットワークの観点では、全てのメーカーが互換性を持たなくてはなりません。前述したように、全ての機器間で対話が成立しなければならず、これは初期の大きなハードルでした。このような理由からヤマハとNEXO間だから特別な音質向上に関わるアドバンテージを持たせていません。我々の顧客の選択肢を狭めてしまうことになるからです。”

“恐らく次のネットワークテクノロジーの大きな進化としては、全てのブランド間を極めて低いレイテンシーで接続可能なワイヤレス化では無いかと感じています。ケーブルレスです!我々は常にこの分野に登場する新しい技術を注視しながら、一番最初に我々の機器からネットワークケーブルを無くすことを実現したいと思っています。”

“NEXOの親会社であるヤマハもこれらの計画を持つメーカーの1つです。現在のアンプ出力だとおそらくNEXOレンジには少し足りないと思いますが、将来的には増加する自信があり、ネットワーク装備のラウドスピーカーを発表する日が来ることと思います。現在は幾つかの個別な企画がこれらを実現するために動いていますが、我々に必要なのは、地球上のどこでも使用可能で、公害フリーなオーディオWifiのような規格と標準化です。これが実現され、帯域を共有できるインテリジェントなプロトコルが出来た時に、私達はオーディオワイヤレスの分野で次のAudinate社のような存在になるのは誰かを見ることになるでしょう。