NEXO最大の固定設備がカタールの賞を受賞しました。
NEXO最大の固定設備がカタールの賞を受賞しました。

NEXO最大の固定設備がカタールの賞を受賞しました。

3月 2021 | NEWS | Sports Arenas | GEO M10 | GEO M6 | GEO S12 | PS Series | STM | Qatar

カタール大学スポーツイベント複合施設(以下QUSEC)は中東地域の類似する会場で最も大きな施設です。最新のオーディオテクノロジーを受賞したのはシステムインテグレーターと設置を請け負ったTechno Q社ですが、それだけではなくQUSECはNEXO史上最大のSRシステムを備えた固定設備です。またYamahaのアクティブフィールドコントロール(AFC)と8つの異なるシリーズから選ばれた320台を超えるNEXOスピーカーの組み合わせによる技術的相乗効果の優れた事例でもあります。

QUSECはカタールの首都ドーハにあるカタール大学のキャンパス内に多目的会場が2箇所あり、スポーツカリキュラム、式典、著名な競技大会や各種イベント、展示会にも最適な会場となっています。

広大な多目的ホールは最大5,000人の観客が収容可能で、式典や様々なステージイベントが開催されます。スポーツイベントでは最大3,200人、宴会時は最大900人となっていることが示すように可動式客席、照明、吊り下げ機構、天井、吊り下げ式のカーテン、そして30m x 9mの可動ステージで自在に対応します。隣接する36m x 67mのトレーニングホールを含めると、QUSECの複合施設ではバレーボール、バスケットボール、屋内テニス、フットサル、バドミントン、スカッシュやハンドボールなどの固定、可変コートを最大で30以上収容することが可能です。

YamahaのAFCによる空間制御とNEXOスピーカーをソースとして組み合わせたYamaha / NEXOオーディオシステム設計は、多目的ホールとトレーニングホールの両方に設置されており、大規模なスポーツの大会から、小型のステージイベントまで切り替えて対応が可能となっています。

メインホール

Techno Q社のシニアプロジェクトマネージャーであるMohanad ls-Hak氏は、建物の物理的な柔軟性を損なうことなく対応可能なスケーラブルで幅広い用途に対応するオーディオシステムの提供を担いました。

“全てのサウンドシステムモジュールと入出力デバイスはネットワークシステムに統合されており、ルーティングの複雑さを最小限に抑えながら柔軟性は最大限に高めています。コントロールルームのDante対応ミキサーを使用すると、ユーザーはイベントに応じて会場内のどこでも操作が可能で、建物全体にその音を供給することが可能です。”

“各スペースにはそれぞれに応じたオーディオ空間が選択できるようにTechno Q社はYamahaと緊密に連携し、このようなサイズの会場では最も大きなAFCシステムを導入し、全ての客席に自然な響きをもたらし、エキサイティングな体験を提供します。”

有名な式典や宴会に使用されるメインのFOHシステムとして、Techno Q社はNEXOのSTMモジュラーラインアレイを選択しました。パワフルな8インチデュアル構造のSTM M28が7モジュール、2列のS118サブウーファーキャビネットと共にL/Rに吊り下げられています。9エレメントによる大型のラインアレイペアは下げたり、収納できるため様々な用途に最適な雰囲気を提供します。このクラスターは昇降可能で、客席レイアウトに対応したり、使用しないときは天井部分に格納することも可能です。

スポーツ競技会時にはこれとは異なるアリーナのスポーツ競技会モード用のFOHサウンドシステムも用意されています。センタークラスターとして競技フィールドの上にNEXO GEO S1210-STロングスローラインアレイモジュールが設置され、カバレージは可動スタンドのメイン部分を向いています。この位置には6キャビネットのアレイが2つ設置され、NEXOが特別に開発したスタジアムサウンドバージョンのGEO M12モジュールを使用しています。他にもバルコニーエリアだけをカバーするためのシステムとして29モジュールのNEXO GEO M6ラインアレイも用意されています。

Yamahaのアクティブフィールドコントロールは会場の側壁と客席後部の壁に取り付けられた60台以上のNEXOのハイパワーな10インチ、15インチのPSシリーズキャビネットを通じてメインホール全体を様々なモードで使用できるように設置されています。これにより、展示会のPAや例えば大勢の観客が着席するスポーツ大会時には分散設置されているNEXO RS15サブウーファーシステムも使用して低域の響きを付加したり、観客の熱狂を煽って更なる興奮を生み出すことも可能です。

メインホールのオーディオシステムは非常に充実しており、AFCを補強する専用のシステムも用意されています。これは6か所に設置された4台のNEXO GEO M10ラインアレイモジュールで構成され、これをフロアに設置されているハイパワーな15インチのポイントソースキャビネットと組み合わせることで、ライブスポーツで観客に完全なイマーシブ体験を提供します。

例えばテニスの試合で、ラケットにボールが当たる音をマイクで拾い、スピーカーからマトリックス再生することでその位置感覚が鮮明に伝わります。フライングクラスターとフロアスピーカーは初期反射音を提供し、シーリングスピーカーは一般的なラウドネスを提供し、音の位置はコートの両側にあるフライングスピーカーとフロアスピーカーを通じ左右のボールの動きに対するパンニングを提供するようになっています。

トレーニングホール

36m x 67mのトレーニングホールは、スポーツ、式典やシアターの他にも600席の着座での宴会など異なるモードで使用されます。これを満たすために独立した2つのFOHシステムが用意されていますが、併用も可能です。そしてYamahaのAFCシステムはシーリングと壁面に取り付けられたNEXOスピーカーを使用します。

会場の奥行きを長く使用するロングルームのレイアウト時は、メインのFOH NEXO STMシリーズラインアレイを使用します。これはL/RクラスターとしてSTM M28を8モジュールと2列のS118サブウーファー、更に6台のPS15-R2がフロントフィルモニターとして設置されています。他にも2番目のラインアレイシステムとしてNEXOのGEO S1210キャビネットが会場の幅を広く使用する宴会、会議やプレゼン時に高い明瞭度のサウンドカバレージを提供するために大型のLEDスコアボードと共にワイドルーム時専用に用意されています。

シーリングシステムをベースとしたAFCシステムは、一般的な拡散エネルギーフィールドを会場全体に提供します。これは60台のNEXO PS15-R2をソースとして天井に取り付け、フロア全体を均一にカバーできるようにしてあります。主にホールで展示会を行う際にはこのシステムは一般的なPAシステムとして直接音を提供したり、BGMシステムとしても使用が可能です。他にも30台のPS15-R2が側壁と後壁に8メートル間隔で取り付けられ、響きの少ない空間に必要な音情報を付加します。このように高密度に設置されたウォールスピーカーとAFCシステムによって会場をコンサートモードで使用することを可能にしています。

スポーツモードでは、フィールドに設置されたマイクとの組み合わせによってシステムは各段に向上します。全てのスピーカーがONとなるソースの位置に対応して変化するディレイやゲインを受け取ります。信号は処理され壁と天井のスピーカーから反射を付加します。一般的な響きは「ライブ感」を高めるため、空間全体に付加的なラウドネスと広大な空間感覚を提供します。サポーター専用のマイクも用意され、観客のエネルギーを増幅し、熱狂を喚起し、プレーヤーも刺激します。

これらのシステムはヤマハ ガルフから供給され、NEXOのエンジアリングサポート部門も設計段階から調整引き渡しのサービスに至るまで深く関わりました。Techno Q社がAVIXA賞を受賞したことはYamahaとNEXOと協力してQUSECが驚くほど様々なアクティビティーに対応するスペースとしたことが認められた結果だと思われます。

 

*2020年AVIXAにおいて最良なフレキシブルスペース体験を認められAVエクスペリエンス賞を受賞しました。